ビラの中身と演説の中身の話

 アメリカ大統領の予備選の初期、バイデンは大学の教授みたいな話し方をしていて、当初本命だったのが、サンダースに大きく差を付けられて撤退も視野に入ってくるぐらいの支持率になってきた。予備選まであと一週間を切ったときにアフリカ系米国人のジム・クライバーン議員が、バイデンにアドバイスしたそうだ。

 「君のスピーチは上院議員っぽい。それじゃ選挙に勝てない」「私の父のようなものの見方をしなきゃダメだ。父は根本主義の牧師で日曜日の朝には説教をした。父は三つのものに力点をおいた。『君』と『君の家族』と『君のコミュニティ』だ」。

 それからバイデンの支持が急激に伸びて勝利した、というのは出来すぎの話に思えるが、「相手の関心事を話す」というのは真理を含んでいる。選挙の演説なら基本的には、この三つだけ話せばいいと思う。

 街頭で演説していても、それが聞いている人の役に立たない内容なら雑音だが、役に立つ内容なら「お得な情報」「耳より情報」だ。「何故、もっとでかい声で言わないんだ!」と言われてもおかしくない。「大きな音ですみません」なんていう候補者は自分の話の内容が意味が無いと自白しているようなもの。民主主義を支える重要な選挙に関する情報だ、誰を選んだらよいか、自分を選んだらあなたの生活にどんな良いことがあるか、あなたの子どもや孫にどんな良いことがあるか、しっかり伝えるべきだと思う。

 ある女性候補の応援演説でもこんなことを言ったことがある。「女性の議員が議会にいなくていいんですか。これからコロナワクチンの接種が始まるでしょ。その時に接種会場に子どもを預けられる用意してありますか?遠いところに住んでいるおじちゃん、おばあちゃんに預けにいくなんて非現実的でしょ。保育所が一時預かりしてくれますか?こんなこと、男性ばかりの議会や行政だったら気がつきませんよ!」。すると、道行く人が、明らかに歩きながら聞いているのが分かるのだ。「ん?あんた今何言った?」という感じで。お母さん世代だけでなく、祖父母世代も同様。

 実はこれ、当てずっぽうだったのだけど、東京都千代田区は預かり所を開設するとのこと。しかし、それに対して、「その人達はワクチン接種すんでいますか?」と質問されている方(女性)がいて、さすがに女性視線は違うなと感心しました。

 「相手の関心のあることを言う」は演説だけでなく、祝辞やメッセージでも当然使えるし、その為には相手が何に関心を持っていて、何を心配しているのかのリサーチが不可欠だ。それさえしていない人がなんと多いことか…。 皆さん、頑張って。ライバルは意外とダメダメですよ。

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