令和7年度政策担当秘書資格試験 解説と解答(1)

今年も完成させました解答例。しかし今年は課題の公表が遅かったですね。去年はもっと早かったです(合格発表のはるか前)。何があったのでしょうか。

問題はコチラ→令和7年度問題・出題の趣旨・採点の全体講評(PDF)

課題1

必修の課題1は「住宅問題」です。現代日本社会で問題となっているテーマですので、当然あり得る出題です。

すぐに思い浮かんだのが、

平成27年度(2015) 課題1(必須)地方創生

  • 東京一極集中のメリット・デメリット、人口減少時代の国土構造
  • 地方への移住促進策
  • 高齢化に伴い都市部で起きる問題の対応策

です。根底に流れているテーマは同じでしょう。

住宅問題は大きなテーマと言うことでしょうか。もっと大きな事で言えば、何度も言っていますが、現代日本の大きな課題は少子高齢化(=人口減少)です。安全保障とか人権とか、他にも色々問題がありますが、まずこれを避けては通れないと思いますので、常日頃から、少子高齢化(=人口減少)でどういった問題が起きるのか、起きているのかを意識されると良いと思います。

課題1はいつもそうですが、誰でも答案が書けるように資料がいっぱい付いています。沢山あるので、これを読みこなして文章に当てはめて行くだけで大変です。逆に言えば、資料の流れに沿って書くだけでいいので、易しい問題と言えるでしょう。

とはいえ!とにかく資料が多い。わかりきっていることを書く量が多くて辟易します。まず、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 」を「住宅セーフティネット法」と略して書いていいのか、そのまま書くのかどうかから悩みますが、こんな長い名前を書いていたら肝心の事がかけないので略して書きました。

 もう何回も書いているポイントですが、資料を引用したら一言で良いので「評価」を書く!これが大事です。多くの方が、引用しただけで終わっています。採点者からしたら、「だからどうなのよ」と聞きたくなると思いませんか。とにかく、引用→評価、引用→評価です。これがあるのとないのでは全然違います。短くて良いのです。例えば、

一つには、一般世帯総数の増加にくらべ、平均世帯人数が極端に減っていることがある(資料2)。これは、単身または二人世帯が増加していることを示している。

とか

住宅地の地価は近年上昇しており、首都圏と三大都市圏の住宅地での上昇が特に激しい(資料8)。

とか、ほんの一言でいいので評価を書いてください。これがポイントです。

あと、この課題で面倒だったのが、住宅セーフティネット法の中に答えが書いてあるじゃん!ということです。過去のEUの森林規制の問題もそうですが、資料として出されている法律や規制の中に、施策(答え)が書いてあったりするので、問題作成者の優しさなのかもしれませんが、すでに答えが提示されているのをどう書くのか?と回答者は悩みます。参考にしつつ、ちょっとずらして書いてください。

設問②は、近年よく見る「独自のアイディアを出せ」に近い問題ですが、これも資料がいっぱいあるので、資料の誘導に乗って書けばいいでしょう。

課題2

選択の課題2ですが、これは逆にガイドラインが少ない。白紙にフリーハンドで自由に書け、と言われているような問題です。課題2の一問目は経済関係が多いので、ほとんどの人は敬遠して解かないと思いますが、この問題は易しいです。ただし問題文の書き方が悪いのか、何について回答するのか、ややもするとズレがちになるようです。私もそうでしたし、出題の趣旨でも、「設問の趣旨に沿わない回答も少なからず見られた」とあります。要注意です。これがこの試験の(この試験だけでもないか)ポイント・ツーで、「問われていることをちゃんと把握する」ことです。以前、漫画の「ドラゴン桜」を使って説明しましたが、問題の作者と対話するつもりで、問題と向き合わなければなりません。問われていないことをいくら沢山書いても評価されません。

 しかし、「ドーマー条件等の経済学的な検討をおこなった解答が見られず、少し残念であった。」って、それは無理でしょ!と言いたくなります。まあ、そこまで書かなくても十分合格点は取れると思います。

 あ、もう一つ「出題の趣旨」で気になることが書いてありました。「独りよがりでないか、課一方的な見方に偏っていないか」と書かれていましたが、この試験のポイント・スリーは「バランスのよい見方」です。是非注意しておいてください(この辺りは「受かる!政策担当秘書資格試験シリーズで解説しています」)。

課題3

これは、すぐに令和2年度(2020年)「課題2 森林の違法伐採」を思い浮かべました。令和4年度(2022年)の「ビジネスと人権に関する指導原則」にも、「我が国が企業による人権デュー・ディリジェンスの実施枠組みの実施」と、ほぼそのままの問題がでているので、過去問を見ている人には易しかったのではないでしょうか。

 ですが、出題の趣旨によると、意外と出来てない人が多かったようで・・・。是非、解答例と資料を見比べながらたどってみてください。

以上、令和7年度の解説でした。

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