令和7年度政策担当秘書資格試験 解説と解答(2)

令和7年度政策担当秘書資格試験

それでは解答例です。

課題1(必須)

(解答例)
① 住宅セーフティネット法は、低額所得者や被災者、高齢者、障がい者、子どもを養育している者、外国人やDV被害者などの住宅の確保に特に配慮を要する者を「住宅確保要配慮者」として配慮を求めている(資料1)。この法律が制定された背景には、社会状況の変化がある。一つには、一般世帯総数の増加にくらべ、平均世帯人数が極端に減っていることがある(資料2)。これは、単身または二人世帯が増加していることを示している。また、一般世帯総数に占める世帯主65歳以上、75歳以上、85歳以上の世帯の割合も年々上昇し、2050年には半分近くの世帯の世帯主が65歳以上になると予想されている(資料3)。こうした数字から、高齢夫婦のみ、もしくは高齢で単身といった世帯が急増してくことが読みとれる。これに対して、総住宅の増加率は低下する傾向にあり、こうした新しい社会ニーズに適応した住宅が十分に提供されていない恐れがある(資料4)。大屋側としても、高齢者や単身者、低所得者などに住宅を貸す場合に、家賃が取れない、返還に困難があるなどのリスクがあり、なかなか借り手とのマッチングが進まず、住宅確保要配慮者自身では住宅を確保するのが難しい。
令和6年に改定された住宅セーフティネット法でも①大家が賃貸住宅を提供しやすくする市場環境を整備すること②居住支援法人が入居サポートを行う賃貸住宅の供給促進③福祉政策と連携した地域の居住支援体制の強化が挙げられている(資料5)。 住宅確保用配慮者に対する大家等の意識が5年前より、全体的に拒否感が薄れてきているものの、まだ相当程度残っている。特に障がい者に対する拒否感が強い現状もあり(資料6)、拒否感を緩和するような対策が必要である。具体的には、行政や支援法人のサポートを手厚くすることや意識改革の醸成、敷金・保証金などを個人ではなく保証方式で負担することなどが考えられる。
また、全国的な空き家率の推移を見ると、右方上がりに上がっており、30年前に比べて空き屋率はほぼ倍増している。賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家も空き家のうち、約半数をしめており、自宅が長期不在となって空き家となっている例が多数にのぼっていることがわかる(資料7)。このように空き家自体は増えているので、これらを行政や支援法人などが介入することによって住宅確保要配慮者に貸し出すことや、空き家を改装して単身高齢者にも済みやすいものにリフォームして貸し出すなどの施策が考えられる。
② ①で挙げられた課題以外には、三大都市圏、特に首都圏でのマンション価格高騰が挙げられる。住宅地の地価は近年上昇しており、首都圏と三大都市圏の住宅地での上昇が特に激しい(資料8)。また、首都圏のマンション価格は近年バブル期に比するような異常な高騰をみせている(資料9)。首都圏と全国のマンション価格の年収倍率を比較しても、令和5年で、9.6倍対7.7倍と通常のサラリーマンなどが住宅を購入する年収倍率をはるかに上回る価格となっている(資料10)。これでは人口が集中する首都圏で、多くの人が十分な住宅を得ることが不可能になる。この原因は様々考えられるが(資料11-1)、とりわけ大都市圏の中でも東京の価格水準の高さが際立っており(資料11-2)、企業の本社などが集中し経済の中心地である東京に住居を持てなくなると遠隔の地から通勤せねばならず、通勤時の混雑や時間のロス、住環境の悪化、生活の質の低下など社会的損失は甚大なものとなる。
こうした東京を中心とした都市圏のマンション価格高騰への対策としては、空き家となっている物件を住居として利用促進させるような税制の導入(空き家税)、所有者不明の物件に関しては行政が介入して、開発をすすめること、取引規制をもうけて投機的取引を規制することなどが考えられる。
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課題2(選択)

(解答例)
① 一般会計の歳出規模は、通常はほぼ横ばいの規模で推移してきたが、例えば2009年のリーマンショックの後や2020年のコロナ禍の際に景気対策などのため歳出規模が急拡大した。その後、いくぶん縮小されるものの、以前に比べて高止まりする傾向にある(資料1)。これは一度高まった支出規模をなかなか減少させられないことを示している。結果として、政府の債務残高対GDP比は、2009年の198%から2024年の251.2%と一貫して高い水準にとどまっている。金融資産を差し引いた純債務残高でも、2024年で155.8%と主要7カ国の中では最も高く、100%を上回っているのは日本の他にはイタリア(126.6%)とフランス(104.4%)のみとなっている。これほどまでに、一般会計の予算規模が拡大してきた背景には、高齢化がすすんでいくなかで、医療費や年金などの社会保障費用が増大してきたことがあげられる。2040年には、65歳以上の人口割合が34.8%、75歳以上の割合が19.7%にまでなると予測されており、今後ますます医療や介護、年金などへの支出が増加すると推測される(資料3)。国債残高の増加にも係わらず、これまで低金利であったことからリバライ費はおおよそ横ばいの推移を保ってきた。しかし、令和7年度には金利が上昇し、利払い費が10兆円を超える事態となっている(資料4)。消費者物価も2021年を境に上昇を続けており(資料5)、この金利上昇は収まる気配を見せないことから、さらに利払い費が増加することが考えられる。また名目賃金は上昇したとはいえ、インフレにより実質賃金はわずかにプラスまたは小規模事業所の従業員ではマイナスになっており、所得税収入の大幅な増加は望めない。また、こうした実質賃金が伸びていない状況では、消費が回復せず、消費税や法人税等の収入の大幅な増加も見込みがたい(資料6)。さらに、日本の地勢上の特色として、大規模地震の危険に晒されていることがあり、大きな災害が予想される南海トラフ地震の発生率も高くなっている(資料7)。こうした災害への対応の為にも、耐震化などの予算がこれからますます重要になってくる。さらにいえば、災害後の復旧のためにも、負債額を減らしておくことが重要だと思われる。また、近年日本含む世界の安全保障環境は悪化しており、各国が国防費を増加させている(資料8)。この状況はすぐに好転するとは思われず、今後も相当の防衛費の伸びが必要となってくる。これらを総合すると
② 政府の中長期の経済展望でも、最も成長率が高い成長移行コースでも、名目経済成長率が最高で3.0%、過去投影コースで0.7~0.8%と見込まれている(資料9)。名目経済成長率が、名目実効金利よりも高い場合には、債務残高対GDP比が安定または低下するが、これが満たされないと財政赤字が続けば債務残高対GDP比が発散・拡大するリスクがある(ドーマー条件)。これらの状況から考えると、医療費に一定のキャップをかけることや徹底した行政改革などで支出の増加を抑えていく一方で、新税の創出など、経済成長を阻害しない範囲で歳入改革を行うなど、厳しい財政運営をしていかなければならないと考えられる。1335字

課題3(選択)

(解答例)
① 主に赤道近辺の国家で生産されるチョコレートなどの原料であるカカオの最大の輸入先はヨーロッパである(資料1)。近年、例えば第二位の生産国であるガーナ共和国では、毎年のように森林減少が起こり、その面積も増加している(資料2-1)。その減少はカカオ生産地域において著しいことから(資料2-2)、カカオ生産によって森林が減少しているという因果関係を読み取ることが出来る。カカオの最大の輸入国であるEUはこの森林減少の問題に対して間接的な責任があるといえる。先進国に需要が有る限り、生産国では限りなく生産を拡大しようとする。その為に森林が減少する。この連鎖を止めるには、需要側からの規制が必要である。よって、EUの木材規制(EUTR)に替わるEUDRが制定されたときに、森林減少の原因となっているカカオとその関連製品であるチョコレートを規制の対象にした。

(ア) EUDRの前身であるEUTRの仕組みは、事業者にデューデリジェンスを行う義務はあっても、各国の所轄官庁にその内容を報告する義務はない。EUDRではEUの情報システムにデューデリジェンス声明の提供を義務付けた。また、デューデリジェンスにおいて把握すべき生産地に関する情報も、伐採国とその国における地域などから、生産地の緯度経度情報などに変更された(資料3)。
(イ) これはEUTRの取り組みでは、所轄官庁が内容を把握することができず、それでは実効性が担保されない為に変更された。実際に、認証されたカカオの生産量と世界全体に占める割合は2017年をピークにむしろ低下している(資料4)。また、カカオのトレーサビリティに関しても、生産者共同組合レベルまでは一定程度追跡できても、農園レベルまで追跡可能なカカオの割合はトレーダー、加工業者によっては、非常に低い水準になっている(資料5)。効果的な対策の為には、実際の農園のある場所にまで遡ってのトレースが必要である。これらの目的のためにEUTRの仕組みは変更された。
③ ガーナにおけるカカオ生産者の収入は、国際貧困ラインを下回っている(資料6)。一方、世界のチョコレート市場規模は、拡大の一途をたどっており、今後もさらなる拡大が予想され(資料7)、このまま放置していれば、さらなる森林破壊が進むことが予想される。農家にとっては、カカオの一次産品的な性格から、産出量が増えても収入が逆に減少するなどの特徴が存在する(資料8)。こうしたカカオ農家の貧困状況を改善しなければ、経済的理由から森林を開拓し、カカオ農場に変えようとする誘因はなくならない。我が国はこうしたカカオ農家を取り巻く環境を改善すべく、適切な収入が確保できるようフェアトレードなどの仕組みで流通しているかなどを調査の対象に加えていくことが考えられる。また、こうしたカカオ農家の経営状態を改善するための直接的な支援の状況も報告の対象とすべきである。
1205字

過去問リストも更新しましたので付けておきます。

政策担当秘書試験出題傾向(過去問一覧)

というわけでこれ以上詳しい解説や過去問の解答例は「受かる!政策担当秘書試験」「受かる!政策担当秘書試験2」で!

令和7年度政策担当秘書資格試験 解説と解答(1)

令和7年度政策担当秘書資格試験

今年も完成させました解答例。しかし今年は課題の公表が遅かったですね。去年はもっと早かったです(合格発表のはるか前)。何があったのでしょうか。

問題はコチラ→令和7年度問題・出題の趣旨・採点の全体講評(PDF)

課題1

必修の課題1は「住宅問題」です。現代日本社会で問題となっているテーマですので、当然あり得る出題です。

すぐに思い浮かんだのが、

平成27年度(2015) 課題1(必須)地方創生

  • 東京一極集中のメリット・デメリット、人口減少時代の国土構造
  • 地方への移住促進策
  • 高齢化に伴い都市部で起きる問題の対応策

です。根底に流れているテーマは同じでしょう。

住宅問題は大きなテーマと言うことでしょうか。もっと大きな事で言えば、何度も言っていますが、現代日本の大きな課題は少子高齢化(=人口減少)です。安全保障とか人権とか、他にも色々問題がありますが、まずこれを避けては通れないと思いますので、常日頃から、少子高齢化(=人口減少)でどういった問題が起きるのか、起きているのかを意識されると良いと思います。

課題1はいつもそうですが、誰でも答案が書けるように資料がいっぱい付いています。沢山あるので、これを読みこなして文章に当てはめて行くだけで大変です。逆に言えば、資料の流れに沿って書くだけでいいので、易しい問題と言えるでしょう。

とはいえ!とにかく資料が多い。わかりきっていることを書く量が多くて辟易します。まず、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 」を「住宅セーフティネット法」と略して書いていいのか、そのまま書くのかどうかから悩みますが、こんな長い名前を書いていたら肝心の事がかけないので略して書きました。

 もう何回も書いているポイントですが、資料を引用したら一言で良いので「評価」を書く!これが大事です。多くの方が、引用しただけで終わっています。採点者からしたら、「だからどうなのよ」と聞きたくなると思いませんか。とにかく、引用→評価、引用→評価です。これがあるのとないのでは全然違います。短くて良いのです。例えば、

一つには、一般世帯総数の増加にくらべ、平均世帯人数が極端に減っていることがある(資料2)。これは、単身または二人世帯が増加していることを示している。

とか

住宅地の地価は近年上昇しており、首都圏と三大都市圏の住宅地での上昇が特に激しい(資料8)。

とか、ほんの一言でいいので評価を書いてください。これがポイントです。

あと、この課題で面倒だったのが、住宅セーフティネット法の中に答えが書いてあるじゃん!ということです。過去のEUの森林規制の問題もそうですが、資料として出されている法律や規制の中に、施策(答え)が書いてあったりするので、問題作成者の優しさなのかもしれませんが、すでに答えが提示されているのをどう書くのか?と回答者は悩みます。参考にしつつ、ちょっとずらして書いてください。

設問②は、近年よく見る「独自のアイディアを出せ」に近い問題ですが、これも資料がいっぱいあるので、資料の誘導に乗って書けばいいでしょう。

課題2

選択の課題2ですが、これは逆にガイドラインが少ない。白紙にフリーハンドで自由に書け、と言われているような問題です。課題2の一問目は経済関係が多いので、ほとんどの人は敬遠して解かないと思いますが、この問題は易しいです。ただし問題文の書き方が悪いのか、何について回答するのか、ややもするとズレがちになるようです。私もそうでしたし、出題の趣旨でも、「設問の趣旨に沿わない回答も少なからず見られた」とあります。要注意です。これがこの試験の(この試験だけでもないか)ポイント・ツーで、「問われていることをちゃんと把握する」ことです。以前、漫画の「ドラゴン桜」を使って説明しましたが、問題の作者と対話するつもりで、問題と向き合わなければなりません。問われていないことをいくら沢山書いても評価されません。

 しかし、「ドーマー条件等の経済学的な検討をおこなった解答が見られず、少し残念であった。」って、それは無理でしょ!と言いたくなります。まあ、そこまで書かなくても十分合格点は取れると思います。

 あ、もう一つ「出題の趣旨」で気になることが書いてありました。「独りよがりでないか、課一方的な見方に偏っていないか」と書かれていましたが、この試験のポイント・スリーは「バランスのよい見方」です。是非注意しておいてください(この辺りは「受かる!政策担当秘書資格試験シリーズで解説しています」)。

課題3

これは、すぐに令和2年度(2020年)「課題2 森林の違法伐採」を思い浮かべました。令和4年度(2022年)の「ビジネスと人権に関する指導原則」にも、「我が国が企業による人権デュー・ディリジェンスの実施枠組みの実施」と、ほぼそのままの問題がでているので、過去問を見ている人には易しかったのではないでしょうか。

 ですが、出題の趣旨によると、意外と出来てない人が多かったようで・・・。是非、解答例と資料を見比べながらたどってみてください。

以上、令和7年度の解説でした。

令和7年度 政策担当秘書資格試験の資料について

今年度も(著作権の関係により省略)という資料の抜けがありました。これがあると答案の作成練習がやりにくいので(復元性がない)やめて欲しいんですよね。毎年言ってるんですが。というわけで今年も抜けている資料の復元に挑戦してみました。元資料はそれぞれリンクをクリックしてみてください。

解答例は近々公開しますので、楽しみに待っていてくださいね。

課題1の資料

 課題1は唯一、資料11-2 「マンション価格水準の比較(2024年4月 東京=100)」が抜けています。どうやらばっちりなのは東京カンテイさんというところのプレスリリースっぽいのですが、ちょっと見にくい。Googleがそれらの資料を基にして作った図の方が見やすいので載せておきます。こういう場合、著作権はどうなるのでしょうか。よくわかりませんが、これぐらいの情報が分かれば、答案を作るのには十分ではないかと思います。

課題3の資料

いきなり資料1が抜けています。生産と「貿易」というところが難しくて、生産と「消費」なら結構たくさん図があるのですが、「生産と貿易」で作っている図が見当たらず、やむを得ず英語の資料StatistaというサイトのCocoa: The Global Trade of “Brown Gold”という記事から取りました。消費じゃなくて貿易にしているのは、貿易ではヨーロッパがダントツで一番になっているからです。消費だとヨーロッパ、米国、南米、アジア諸国、日本でちょっと分散していて、ヨーロッパが強く責任を持つべき!という論調になりにくいのだと思います。要はカカオってヨーロパに輸入されて、加工されて世界に出回っているんですね(常識でしたか・・・)。また、カカオとココアが一緒だということも、この課題で初めて知りました。中央アメリカからスペインに持ち帰られたカカオという呼び名はヨーロッパに広まりましたが、ただ1カ国、イギリスだけは、カカオという発音が難しかったため、音の組み合わせが変わってCocoa(ココア)と呼ぶようになったそうです。

英語の国名で「CI」はコートジボワール共和国、「GH」はガーナ共和国、「NG」はナイジェリア連邦共和国、「CM」はカメルーン共和国、「EC」はエクアドルです。輸入国で分かりにくいのは「MY」マレーシアですね。マレーシアも加工大国なんですね。

資料6「ガーナにおけるカカオ生産者の収入」もなかなか難しいですが、NGOのACE JAPANさんの資料が一番趣旨に近いのではないでしょうか。

資料7「世界のチョコレート市場規模の推移」

これもStatistaさんのデータを元に作られた一般社団法人熱帯雨林ネットワークさんの図でいいのではないでしょうか。あんまり劇的ではないですが、毎年増えているのが分かります。

というかグローバルチョコレート市場規模は年に2.76%増で増加して、約10年後(2033年)には1.3倍になってしまうという図の方がインパクトありますので、もしかしたらこちらかもしれません。こちらの資料の方が答案は書きやすいです。解答例はこちらを使ってみました。

資料8「カカオ農園の収穫量の増加により純利益(収入―経費)への影響」

これはちょっと探しきれなかったです。すみません。おそらく、というか多分間違いなく、カカオ農園にとっては、収穫量が増えても、利益が増えるのではなく利益が減少するという、一次産品にありがちなグラフが載っていたのだと思います。

Dari Kさんのブログによりますと、カカオの国際価格は上がっても、カカオ農家の収入(所得)は上がっていないんですよね。

ちなみにJATNさんのホームページでは下のような記述がありました。

カカオの生産は、500万人から600万人と言われる、多くの小規模農家の厳しい労働によって支えられています。ガーナではカカオ農家は1日約84セントを得ていますが、それは世界銀行による一般世帯の貧困定義(1日1.90ドル)をはるかに下回っています。

板チョコの小売価格のうち、35%はチョコレート会社に、44%は小売業者に分配されますが、生産者にはわずか6.6%しか届きません。(JATNのホームページより)

(米国の)ランフォーサムシング

 友人が今日(2025/11/27)の朝日新聞の記事を教えてくれたのだが、NY市長選に関連して、米国のランフォーサムシングのことが書かれていた。若い世代の立候補を支援する団体で2017年設立、これまでに20万以上が登録、3700以上が推薦を受け、約1500人が当選という実績を上げている。すごく拡大したんだな、と驚く。

 実は、ランフォーサムシング・ジャパンは、米国のランフォーサムシングの記事を読んで、先方に連絡して許可を受けて設立した、兄弟姉妹団体なのです。(だから「ジャパン」とついているので、「X JAPAN」みたいなノリでついているわけではないのです)。

 本来は、選挙にでるのにノウハウのない若い人を応援しようというのが主目的で、政策担当秘書の試験講座は二次的だったのですが、だんだん安易な方向に流れて・・・ではないですが、選挙関係が少なくなってきて反省していたところです。こちらのジャパンもほぼ同時に設立、選挙においても相当のノウハウの蓄積と当選実績を出してきました。来年は本腰入れてしっかりやります。選挙に関心がある皆さんも、楽しみに見守っていてくださいね。

政策担当秘書試験 合格者ガイダンス

 9月25日、政策担当秘書資格試験の合格者ガイダンスが衆議院の議員会館で行われました。今年は受験生が去年の169名から241名へと72名の増、合格者も7名から14名へと倍増という年でした。皆さん、本当にお疲れ様でした。
 事務局からの説明、現役秘書と混じってのグループワークなど、内容充実のガイダンスの後、懇親会でも盛り上がりました。
 嬉しかったのが、毎年のように合格者にkindle本の「受かる!政策担当秘書試験」の読者の方がいらっしゃることです。ある方には「(試験対策には)マストです」と言っていただけたり、他の合格者の方は「文章が同じになるんじゃないかというぐらい読み込んだ」とおっしゃっていただきました。またある合格者の方は「資料の使い方が分かれば、後は簡単だった」とおっしゃってました。
 何人かの方の人生を変えるお手伝いができて、本当に感激です。今年度も試験問題が解禁されたら、解答例と解説をアップしますので、お楽しみに!

令和7年度  政策担当秘書試験 試験問題

今年の 政策担当秘書試験 の問題は必修の課題1が森林政策で、欧州がガーナからのカカオの輸入に制限をつけたことが、ガーナの違法伐採の抑制に役立ったという例を出して、森林を守る政策を考えさせるもの。選択式の課題2が税金、課題3が住宅政策だったそうです(受験者様から聞いた情報です)。
過去問が発表されましたら、また解答例をアップしますので(楽しみに?)お待ちください。ちなみに選択式試験は、荘園制度とか惑星とかでてお手上げ状態だったそうですが、「受かる!政策担当秘書試験」 の解説を読んでいたおかげで、数的推理1問解けたそうです!自信のない方は是非ご一読を!

受かる!政策担当秘書試験

令和7年度国会議員政策担当秘書資格試験について

政策担当秘書資格試験の募集概要です

お待たせしました。今年の政策担当秘書資格試験の日程がでました。
受付が5月7日(水)から15日(木)。
試験日が6月28日(土)東京大学駒場キャンパスです。

是非皆さん、受験してください!お待ちしております。そして合格には実績のある「受かる!政策担当秘書試験」シリーズをどうぞ!(最近、合格者実績が増えてきているので自信が付いてきました)

受かる!政策担当秘書試験: 合格率5% 難関国家試験、日本唯一の対策テキスト! RFSJ Books Kindle版

受かる!政策担当秘書試験2: 合格率5%、政策能力を試す国家資格試験 難関を突破する試験ガイド第2弾 RFSJ Books Kindle版

政策担当秘書資格試験の募集概要です

令和6年度政策担当秘書資格試験 解答例と解説(2)解答例編

令和6年度問題解答例

課題全文については衆議院・参議院のサイトで確認、ダウンロードできます。

課題1(必須)

AI やロボット等の導入は、我が国の経済成長や所得分配に影響を与え,雇用の視点からも多くの課題を生じさせる 。

以上の記述及び次頁以降の資料を基に,次の問いに解答しなさい。

①AI やロボット等の導入は,雇用や経済成長などを通じて,財政にどのような影響を与えるか。

②ロボット税が必要かどうか。

③ロボット税を課す場合には,どのように課税するのがよいか 。

解答例

①ロボットは、その自立性を生かして危険環境下での作業代行や、高速高精度の生産、サービスやエンターテイメントを通じての日常支援など様々な分野で人々の生活向上に役立つことが期待されている(資料1)。実際に、世界中で労働者1万人当たりのロボット台数は2017年以降毎年約12%ペースで増え続けている(資料2)。製造業におけるロボット密度を見ると、韓国、シンガポール、中国、ドイツといった近年産業界で存在を大きくしている国が上位に並んでおり、製造業の成長とロボットの導入が密接な関係にあることがわかる(資料3)。日本の経済成長率を見ても、2000年から2005年、2010年から2015年などの成長率が高かった時期は、TEPの寄与が高く、技術進歩が経済成長にプラスの影響を及ぼしている。(資料5)。これは財政にとってもプラスの影響を与える。

 一方、ロボットの導入で労働者の職が奪われ、失業の増加につながるのではないかという見方もある。実際、AIの導入によって、一時的には機械化可能性の高い職種のタスクが減少するとされている(資料4)。日本の場合でも、先の2000年から2005年、2010年から2015年の成長率が高かった期間は失業率も高く、それに応じて失業に伴う現金給付も増えており、財政にとってマイナスの影響を与えている(資料6)。

②2020年以降、法人税の伸びとは対照的に所得税は2022年をピークにして下落傾向にある(資料7)。様々な要因が考えられるが、ロボットの普及により、機械で代替可能性のある職が喪失したことや低賃金化も一因だと考えられる。人が稼いだものに対しては課税されるが、ロボットが稼いだものに対しては、法人税として以外は課税されないのは不公平である。近年、積極的労働市場性政策に対する支出が増えていることからも、財源は必要であり、ロボット化によって所得の増えた企業に対して、一定の負担を求めることは合理的であると考える。よってロボット税は必要である。

③税は、「公平、中立、簡素」という課税の原則に則って、設計されねばならないと考える(資料8)。「公平」という観点では、ロボットの導入で収益の増えた企業に対して、負担能力の観点から(資料9)、法人所得税の税率を高め、より負担を求める方法が考えられる。しかし、ロボットを導入した企業とそうでない企業の区別をどうするかという問題が残る。また、法人の利益は利子・配当というキャピタルゲインとなって分配されるので、キャピタルゲインへの課税強化も考えられる。一方、「中立」の原則からは、ロボットの導入によって、かえってその効果より高い税金を払う事の無いように、増収分の一定の割合に止めるべきである。「簡素」という面からは、一律に法人に法人税の負担増を求めるのが良いが、先の「公平」の観点から、ロボット化を進めた企業には、補助金や控除で一部を戻す方法が考えられる。

1210字

課題2(選択)

①我が国と諸外国における文化芸術の制度や予算などの共通点や相違点について説明し、文化諸外国の制度や施策で我が国も取り入れるべきと思われるものを挙げよ。理由も説明しなさい。

②我が国のソフト・パワーを今後さらに高めるために,どの分野に力を入れるべきか提案しなさい。その際,自由や基本的人権の尊重といった普遍的価値を重んじる先進民主主義国家としての我が国がソフト・パワーの面で他国に対して優位に立つ上でどのような効果をもたらし得るかについても論ぜよ。特に我が国よりも表現の自由が制約されている諸国と比較すること。

解答例

①我が国では、文化芸術の意義が極めて重要であるとされていながらも、文化芸術基本法にあるように「基盤の整備及び環境の形成は十分な状態にあるとはいえない」(資料1)。これを他国との比較で見ると、予算額においても、政府予算に占める割合をみても、国民一人当たりの額をとってみても、とても十分なものとは言えない(資料2-1)。文化庁予算額の推移においても平成年間の初期は増額されたが、平成13年以降はほぼ横ばい、平成30年以降は、旅客税財源事業分が増えているが、それを除くとやはり横ばいとなっている(資料2-2)。

 政府からの支出や寄付控除の仕組みが共通してあるものの、例えば米国においては寄付金控除の仕組みが我が国に比べて、対象となる団体も幅広く、その上限も高いなど、非常に充実している点が異なっている(資料3-1)。こうした背景もあって、英米と比べ、我が国の個人寄付の割合は非常に低くなっている(資料3-2)。

これらの資金的なマイナス面にもかかわらず、諸外国の文化GDPと比較すると、平成27年の調査と比べ、令和3年の調査では、他国がGDPに占める割合を減らしているのに対して、我が国は低い数値ながら、わずかに伸ばしており、潜在的な成長の余地があることが推測される(資料4)。

 文化芸術の維持発展の為には、それ自体で稼げることはもちろん、政府の財源とするためにも、文化芸術をコンテンツとして、様々な分野で稼いでいくことが必要である。近時、韓流やK-POP等のコンテンツで、世界的な成功を収めている韓国では、金融面での支援や公正な制作・流通の環境作り、融合コンテンツの育成・支援、さらには韓流拡散と連動した進出まで、政府がコンテンツ政策として、国政の課題として取り組んでいる(資料5-1)。さらには、コンテンツのみならず他産業とも関連して、輸出振興策として、戦略をたて、推進している(資料5-2)。このような、官民一体となった幅広い戦略的な取り組みは、多様な産業で相乗効果が期待出来るものであり、我が国でも取り入れられるべきものであると考える。一方、政府による介入は、表現の自由に対する侵害や、政策の失敗のおそれもあり、それらに配慮した形での支援が望まれる。

②世界のコンテンツ産業の市場部門別の2020年から2025年の年平均成長率を見ると、トップは「アニメ」(29.19%)と日本の得意な分野であるが、わずかな差で2位の「映画」(29.05%)や3位の「音楽」(12.85%)といった分野においては、大きな存在感を発揮しているとは言えない(資料6)。映画については、国際的な賞の中でも日本の作品や受賞者の割合が低く(資料8)こうした分野に更に力を入れることによって、より大きな存在感を発揮できると考える。

 また、コンテンツIP世界ランキングでは、日本が上位10位の内4つを占めているが(少年ジャンプを入れると5)、「キャラクター」の伸びが低く(4.99%)(資料6)、まだまだ伸びる余地があると考えられる。

 このほかにも近時では、国外リョコクの目的としてサブカルチャー(アニメ・漫画)を挙げる人も多くおり(資料9)、旅行関連分野も有望なマーケットとして、力を入れるべきだと考える。

 文化が国境を越えていくことによって、文化芸術基本法前文にうたわれている精神、自由や基本的人権の尊重と言った普遍的価値が、他国に伝わっていくことが考えられる。我が国は自由主義民主主義指標では30位であり、例えば、172位の中国、169位のサウジアラビア、159位のロシアの人々に、我が国の文化を通じて、普遍的価値の理解を深め、親しみを感じて貰うことによって、我が国のソフト・パワーにとって、他国に対して優位に立つという効果が期待できる。

1555字

課題3(選択)

①我が国が難民認定に積極的でないとする批判の要因。

②難民の受入れを増やした場合,どのような問題が発生すると予測されるか。

③難民の受入れを増やさない場合,その代わりに難民問題に貢献する施策にはどのようなものがあるか 。

解答例

①難民条約と難民議定書における難民の定義は「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという充分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいるものであって、その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの」(資料1)と幅の広い定義となっている。このため、国によって、難民の定義が異なり、それが難民認定数及び認定率で日本が他国に比べ非常に少ない(資料2-1)原因になっていると考えられる。また、日本では「難民」として認定している人数は少ないが、「その他の庇護」として在留を認めている人数は令和5年までの合計で6,054人おり(資料2-2)、これも難民認定数が少ない原因となっている。

 また定義の曖昧さと相まって、運用の厳しさによっても認定数に差が出てくる。日本では平成30年1月に難民認定制度の運用を厳しいものに改めた。その結果、翌年には申請者自体が前年の約半分になっている(資料3-1)。また、その国籍別の難民認定申請者の推移を見ても、平成30年以前は、フィリピン、ベトナムが非常に多かったが、運営が厳格化されてからは、その申請数が激減している(資料3-2)。その変化の原因を運用の変更だけに求めることはできないが、そもそも「難民」で無い人が、「難民」として申請していた可能性が否定できない。よって日本の難民認定数や認定率が低いのは、認定制度の厳格な運用に起因するとも考えられる。

②EU諸国においては、2015、2016年に庇護申請者数が大幅に増え(資料4-1)、それに伴って移民問題が、EUが直面している最も重要な問題として浮上した(資料4-2)。シリアやウクライナなど地中海を通じて多くの移民がやってくる(資料6-1)イタリアや受入人数の多いドイツ(資料6-2)などで顕著に見られるように、「移民が犯罪を増加させる」「自国の労働者の職を奪う」「自国の福祉にとって重荷である」と国民が思うようになった(資料5)。

 我が国でも難民の受け入れを増やした場合にも同様の問題が発生すると予想される。具体的には、移民に対する排斥機運が高まること、社会不安が増大することや、政府に対する不満が高まることが考えられる。またそれらを起因として、欧州や米国で見られるようなポピュリズム政党の伸長の恐れもある。

 移民を統合するための教育費用や行政での対応のために財政負担が増えることも考えられる。

③我が国は紛争が多く発生しているアフリカや中東から離れているという地理的な制約があり、多くの移民を受け入れるのが難しい面がある。しかし、我が国のUNHCRに対する拠出率は米国の10分の1、ドイツの3分の1程度であり、名目GNIが我が国の10分の1程度のスウェーデンやノルウェーと比べても額ベースで非常に低くなっている。我が国が難民の受け入れを現状レベルから大きく増やさないとする場合には、UNHCRなどの国際機関への拠出金を増やすという方法がある。また国際機関以外にもNPOへの援助や、難民の出身国への制裁や援助、制度・技術支援なども考えられる。

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令和6年度政策担当秘書資格試験 解答例と解説(1)解説編

令和6年度問題解説

全体講評

 受験生の皆様、お疲れ様でした。これから受験しようとされる皆様、ご苦労様です、頑張ってください。今回も難しかったですね、というか面倒というか。必修の課題1がとりわけ難しく感じます。選択問題の2問とも選択できれば、随分楽だったと思います。

 そうは言ってられないので解説です。難しかったといっても、答案の筋は難しくないです。資料の読みとどこで使うかが難しいだけです。答案の筋は、人からロボットに置き換われば、失業者もでる。ロボットは納税しないので納税額も減る上に失業手当などの財政負担も増えるということです。これを資料を使って、カッコ良く、じゃなかった説明的に書く。資料を使った大喜利みたいな感じです。資料をどこでとう使うのかに頭を使います。基本的には全部使わないと試験問題を作成した人の意図に沿ってないので全部使ってください。問題作成者の意図はどのあたりにあるのかを探ります。

 申し遅れましたが、今回の試験も資料が付いていないものが3カ所あります。課題1の資料2と資料3、課題3の資料3-2ですね。資料が揃ってないと過去問を解こうとしても筋が分からなくなるので、これはできるだけ避けて欲しいですね。

 課題1の資料2と資料3は国際ロボット連盟の資料です。見やすい日本語のサイトは資料1がhttps://www.automation-news.jp/2024/02/79960/

 資料2は英語ですがhttps://ifr.org/ifr-press-releases/news/global-robotics-race-korea-singapore-and-germany-in-the-lead です。

 課題3の資料3-2は、恐らく内閣府NPOホームページのこれが載っていたのではないかと思いますが、課題1の資料ほどの確信はありません。

https://www.npo-homepage.go.jp/kifu/kifu-shirou/kifu-hikaku

課題1

 まず問題文でいくとキーワードは、「AIやロボットの導入」で我が国の「経済成長」「所得分配」に影響、「雇用」の視点から多くの課題、ということです。その上で①は「雇用や経済成長」を通じて「財政」にどのような影響を与えるか?という問題ですので、「」の中事について全部触れなければなりません。

 いつも面倒くさいのですが、資料1あたりに(今回は資料1~3)に、背景説明というか、当たり前のことを書く資料がついています。資料があるということは、「そもそも」の部分も書け、ということです。解答の筋が分かっても、それをすぐ書き始められないもどかしさがあります。何回も「受かる!政策担当秘書試験シリーズで書いていますが、「当たり前のことを当たり前に書く」のは難しいのです。今回の資料1~3もどう書いたら良いのか苦労しましたが、まあ一例として参考にしてください。資料3が国別の数字が何に使うのかよく分かりませんでした。韓国やドイツが最近(といってもちょっと前)工業分野で好調だったという記憶があるのでなんとか書きましたが、「知ってる、知ってない」で成績が変わってしまうような問題は良くないと思います。それとも他に解釈の仕方があったのでしょうか。

 資料4は、AIによって一時は雇用が減るけど、仕事の裾野が広がって最終的には雇用が増えるよ(ホンマかいな)という図で、突っ込めばもっと書けましたが、時間がないのであっさりと書いてます。資料5も難しいです。GDP成長率が高かった2000年~2005年(1.22%)や2010年~2015年(1.05%)には、TEF(技術進歩)が寄与していると言いたかったのではないかと推測しました。資料6もどこに意図があるのか読み取るのが難しいグラフです。失業率と現金給付がほぼリンクしている2018年までの事を言えば良いのか、政策が変わって教育訓練給付や雇用調整等助成金が増えた(Welfare to Work政策みたいですね)2018年以降の部分に言及すれば良いのか。時間も無いので2018年以降の政策転換はパスしました。しかし、「出題の趣旨」を読むと、「経済成長によるプラスの効果と失業支援などの財政負担増によるマイナスの効果」を書いた答案が少なかった、とありますが、逆に、びっくりです。そこを書かずに何を書いたのでしょうか。②のロボット税が必要かどうかは、使えそうな資料があまりないので、自分で考えて書く。「稼ぎ手のとしてのロボットをどう考えるか」(出題の趣旨)ということですが、あっさり、「ロボットは納税しない」と片付けてしまいました。③の課税問題も難しいです。ほとんど選択する人がいなかったという去年の課題2も税問題でしたが、またしても税です。重要でホットな問題なので、しょうがないかもしれませんが、難しいですね。資料7、8、9からロボット税を立案せよ、というのは資料が漠然としすぎて、知識で補わないと苦しい。再掲ですが、知識を使って解かないといけない問題は受験者の専門分野によって不平等がでるので良くないと思います。「課税標準、税率まで展開した人はほとんどいなかった」(出題の趣旨)とありますが、そこまで書ける人は、よっぽど知識があるか、書く速度の速い人でしょう。

課題2

 課題2は、なじみのある問題で、割と楽に書けるのではないでしょうか。気になったのは、韓国のコンテンツ界での成功をそんな持ち上げていいのか?というのと、表現の自由が制限されている国として中国とかロシアとか名指しで書いて良いのか?という点です。前者については、やはり「出題の趣旨」で、国家がそんなに介入して良いのか?英米みたいに寄付でやるのがいいんじゃないか、という答案があったことを例示して、評価しています。②も易しいでしょう。

課題3

 これも近時の重要かつホットなトピックである「移民」です。しかし、①もなんとなく資料から想像はしましたが、各国で難民の定義が違うということを知っていれば、あっさり溶けますし、知らないと難しいので、知識の差が出る問題です。これも良くないですね。資料3は認定基準を厳しくしたら、そもそも申請数が減ったという事実をストーリー化できるか。②に関して、資料5は、どこに着目したら良いのかよく分からない表です。地理的な要因が移民に対する意識に差を生み出しているということでしょうか。それにしてはドイツもかなりの数を受け入れてますし。③は難民受け入れを増やさない場合の代替策です。出ましたアイディアを評価する問題!と言いたくなりますが、ここは想像力のある答案が評価されます。思いつかなければ、普通のことで十分です。