政策担当秘書試験合格者オリエンテーション

今年も政策担当秘書の合格者オリエンテーションが開かれました。今年は169名申し込みで7名合格と狭き門でしたが、おめでとう御座います💮
合格すればこのようにサポートさせていただきますので安心を。
今年は政策担当秘書出身の大西健介議員に加えて本庄さとし議員も来られました。
それに嬉しいことに、合格者の方に勉強法をお尋ねしたところ、ひらすら、こちら(RFSJ)の解答例を模写されたそうです!やった!合格メソッドに誤りなし!でした。
今年の問題も解答例を作成次第アップさせていただきますので、お楽しみに!!

https://runforsomethingjapan.net/r5-1/

令和6年度 国会議員 政策担当秘書資格試験 合格者発表

やや遅くなりましたが、9月10日政策担当秘書の合格者が発表されました。最年少24歳から最年長57歳まで。169名応募して合格者は7名ということでした。みなさん、お疲れ様でした。合格者オリエンテーションは9月25日です。受験を考えている人は、是非来年をめざして頑張ってください!#政策担当秘書

政策担当秘書資格試験 申し込みが始まります

いよいよ連休明け5/7より政策担当秘書資格試験の申し込みが始まります。試験料無料、資格は一生(但し定年あり)、政策能力を測る日本唯一の国家資格です。是非、チャレンジしてみてください!

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/hisho/index.html

昨年の論文試験の解説&解答例を無料で公開していますので、是非ご利用ください。

(問題)

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/hisho/pdf/r05shushi.pdf

(解答例)

政策担当秘書資格試験 令和5年度問題解説&解答例(2)

解答例です。

課題1(必須)

  • 2018年に公表されたIPCCの「1.5℃特別報告書」は、将来の地球の平均気温の上昇が産業革命前と比べて1.5℃を超えないためには、2050年前後には世界のCO2排出量が正味ゼロとなっている必要があるとしている。IPCCの報告書によると、これから排出できる残余カーボンバジェットは300GtCO2しかない。しかも、220GtCO2以上の推定値が増減するとされており、今後排出できるCO2がほとんど残っていない状態となっている。そのため、今すぐにでもCO2の排出をゼロにする必要がある(資料1)。金融業界にとっても、融資先が気候変動によって被る物理的損壊やサプライチェーンの中断等の物理的リスクとともに、融資が停止または縮小することにより、化石燃料に関連する資産が無価値になったり価値が低下するという移行リスクがある(資料2)。このために、金融業界も将来を見据えた長期的な視点でCO2の排出抑制に資する行動をとる必要がある。

しかし、現在ではIEAのシナリオに基づく年間のエネルギー関係の投資額は、ネットゼロ排出2050年実現シナリオ(NZE)と表明公約シナリオ(APS)では大きな差があり(資料3)、ネットゼロを実現するためには、より一層の投資が必要となっている。そこでGFANZとその傘下に位置づけられる業態ごとにネットゼロ連合(資料4-1)を設立し、資金の提供先の企業に対する温室効果ガスの排出量に関する中間目標を定め(資料4-2)、その目的にあった投資を促すという方法で、資金の面から温室効果ガスの排出抑制の実効性を高めようとしている。

  • EUは、ロシアよるウクライナ侵攻後、短期的にノルドストリーム及びノルドストリーム以外のモノも含めて、ロシアからの天然ガスの供給を急速に減少させた(資料5-1)。長期的には、ロシアの天然ガスに頼る姿勢を改めロシア以外からの天然ガスの割合を高め、かつ天然ガスの輸入量自体をも下げるようにSTEPS(公表政策シナリオ)で計画している(資料5-2)。つまり、エネルギー安全保障の面からも、自国内でエネルギーを生産できる方向へ進めようとしているといえる。しかしAPS(公表公約シナリオ)を実現するためには、直近および将来にわたって更に多くのクリーンエネルギーへの投資が必要となっており、その方面への投資を増やすように、さらに政策を見直すと考えられる。
  • 我が国は、直接、産業界に対して脱炭素化に必要な技術開発支援や国際競争力を高めるための補助金、税制優遇などを行うと共に、その資金の提供元である金融機関に対して積極的に国内外の脱炭素化に取り組み、投資を行うように促進すべきだと考える。その為の手法としては、例えば、カーボンプライシングの手法をとった炭素税の仕組み(資料6)を導入することで、将来の課税水準を意識させ早期に投資を促すことで、化石燃料に関連する資産の価値が低下する移行リスクを下げながら構造転換を促す方法が考えられる。また、気候変動は全地球的な問題であり、一国だけが目標を達成すればよいというものではない。規制の緩い他国に生産設備を移すといったカーボンリーケージも考えられることから、これへの対応も必要だ。工業化の過程で多くの炭素を排出することが予想される一方、対応するノウハウやシステムが不足している途上国に対する支援、例えばインドネシアに対して行ったような発展途上国に対する支援(資料7)を推進することが重要である。さらに、EUにおけるサステナブル金融規制(資料8)などを参考にして、金融機関にサステナブル金融開示規則、企業に対して非財務情報開示を求める基準を策定するなどして、より一層の投資を促すべきである。

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課題2(選択)

  • 我が国は、少子化・人口減少時代にあり、これからも超高齢社会が続き、また働き手が減ることにより社会保障に充てる財源が不足すると予想されている。また、若年層と高齢者の間で、負担と給付に不公平があると指摘されており、その様な構造により、さらに少子化が進むのではないかと懸念されている。このような状況下で、将来世代と現役世代、高齢者世代が安心して暮らしていくためには、全世代が支え合う仕組み作りが必要とされている(資料1)。こうした考えに基づき、令和5年の健康保険法の改正においても、子ども・子育て支援の拡充と高齢者医療制度の見直しが行われた(資料2)。この背景には、高齢化に伴い現役世代の社会保障に対する負担が重くなっていることがある。例えば現役世代が入っている健康保険の保険料は、会社と被用者でほぼ全額負担しているのに対して、退職後の高齢者が入っている国民健康保険は国や市町村の税金が半分程度使われているなど、負担財源の不公平がある。また、現役世代の保険料が、前期・後期高齢者の医療保険に供出されており、その負担が重くなっていること、保険の理念から離れてきているなどの問題がある。年金においても、厚生年金・共済年金と基礎年金の関係において、公費の投入について同様の構造が見られ(資料3)、収入の多い現役世代が多く負担している。

一方、各国の政策分野別社会支出を比較してみると、我が国は家族に対する支出の比率が低い(資料4)。子育て世代の負担が重く、手当が薄いことが少子化を加速している原因の一つであることは否定できない。

 社会保障費の大きな部分を占める医療費においても、30年前の1990年と比べ2020年は、全体が2倍以上に増えていることとともに、公費の割合が31.4%から38.4%へと増加しており(資料5)、公的部門によって支える割合が高まっている。また、医療保険制度の財源構成をみると、後期高齢者は現役世代の被用者保険からの支援金が約4割を占め、ここでも現役世代の負担が高くなっていることがわかる(資料6)。高齢になるほど一人あたりの医療費は高額になる傾向になるが、保険料と自己負担額は小さい(資料7)。保険料の一部負担割合が高齢者になるほど低く抑えられていることもその原因である(資料8)。

 このような状況に鑑みて、これまで負担の相対的に軽かった高齢者も含んだ全世代で支え合う全世代型社会保障の構築が必要とされているのである。

  • 全世代型社会保障制度を支えるためには、例えば保険は病気やケガに対応するために多くの人から拠出金集めて、いわば不幸なクジに当たった人に支出するという考え(保険原理)に基づくものであるから、保険料は受け取る確率的な給付と同じでなければならない(給付反対給付均等の原則)、また、その保険料と支払いの収支は、経費を除いて、均衡するべきである(収支相当の原則)。その観点からは、被用者保険から前期・後期高齢者保険への拠出は問題があるといえる。また、保険であるから、基本的には収入や財産の多寡で保険料を増減することは望ましくなく、多くの加入者が一定の負担をすることによってそのリスクを分散るというのが原則であるべきだ。一方、現実的には、社会をさせるという観点(扶助原理)から、ある程度の拠出や公的負担は是認されてきた。しかし、現在の財政状況や現役層の負担の重さから考えると、病気やケガになりにくい若年層に多くを負担させるこれまでの方向から、リスクの高い高齢者の層にもより負担を求める必要があると思われる。一方で、応能負担の観点から一律に負担増を求めるのも問題があり、収入やあるいは財産の多寡によって一定程度の負担増を検討すべきであろう。

子どもを産み、育てるということは個人の選択の問題であり、本来は自己負担で対応すべきであるが、少子化の問題は社会構造に大きく影響するために、今後はより社会全体の問題ととらえ、自己負担の部分を縮小して公費の部分を多くしていくべきであろう。財源としては社会全体に関わることであるから、税が適当であるが、一般会計に占める税とその他の収入は、令和5年度で歳入の7割程度であり、収入増を考えていかなければならない状態にある(資料9)。消費税は、収入や年齢にかかわらず、広く薄く、消費という行為を基準に徴税する方法であり、あまねく多くの人に分配するという公費の概念に適応する。よって、消費税の一部を少子化対策に充てることは、その性質に適合していると言える。実際に、一般会計税収入の内訳では、近年は消費税と所得税の伸びが著しく、令和5年度における一般会計予算歳入においては、金額ベースで消費税、所得税、法人税の順となっている(資料10)。

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課題3

  • 日本はOECD諸国の中では、合計特殊出生率が低い国のグループに入り、2000年代以降、低い水準のまま推移している(資料1)。この原因の一つには、男性が働き、女性が家庭で育児や家事をするという労働慣行や家庭内での性別役割分担が影響していると考えられる。文化的にも、合計特殊出生率が低い、例えば韓国やイタリアなど、男女の性別役割分担が固定的な国が多い。実際に、日本では男性の収入が多いと子どもの数が多いという研究結果があり(資料2)、この見方を裏付けている。

また、各国の女性の就業率と合計特殊出生率の相関を見ると、女性の就業率の高い国が合計特殊出率が高いという正の相関関係が見られる(資料3)一方、男女別に見た生活時間でも出生率の低い日本や韓国においては、男性は他国と比べ飛び抜けて長時間有償労働している。その反面、子育てへの関与が低く、女性は無償労働、つまり家事や育児・介護といったケア労働に従事している割合が高い。出生率が高いスウェーデンやフランス、英国などの国は男女差に大きな違いは無い(資料4)。

男性が働き、女性が家事・育児をするという性による役割分担は、育児休業の取得状況にも現れている。育児休業取得率が女性85.1%に対し男性13.97%と低い上に、取得期間も女性が10ヶ月から18ヶ月が全体の3分の2近くを占めているのに対し、男性は3ヶ月未満が9割近くを占めており、合計特殊出生率が高い国と比較すれば、相当低い水準であるという特徴を持つ(資料5)。

  • ハンガリーでは、家族手当や児童手当といった家族支援策の他、住宅やマイカーの購入補助制度、乳児保育手当や保育手当効、25歳未満の若者の所得税免除や不妊治療に対する積極的な政策など、多様な支援を行っている(資料6)。その効果もあり、2011年に1.23まで落ちた合計特殊出生率を2018年には1.55まで回復させている(資料7)。近年、ハンガリーは若者が賃金の高い近隣国へ流出し、人口が減少し、平均年齢も年々上がってきているが(資料8)、これらの手厚い支援策の効果もあってか、2015年をピークに国外への移住者の数は減少している(資料9)。このような例を参考に我が国でも包括的な支援策を行う必要があるだろう。男女の固定した性別による役割分担を見直し、男性も育児、家事をして女性も働きやすくする環境作りが必要で、その為には男性の長時間労働を改めることや育児休業を取りやすくするなどの政策も行うべきである。また、前提として、若い世代が希望を持てるような雇用の安定化や所得格差の是正を行う必要があると考える。

我が国では15歳から24歳の自殺者がOECD平均より高いことにも留意しなければならない(資料10)。とりわけ、女性の自殺比率が高く、日本同様、女性の性差分担が厳しい韓国が一位となっていることにも注意が必要だ。女性の役割分担を見直すと共に、メンタルケアハラスメント防止やいじめ対策等、自殺者対策を行う必要がある。

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政策担当秘書資格試験 令和5年度問題解説&解答例(1)

お待たせしました。令和5年度の政策担当秘書資格試験の解答例と解説ができました。今年はドドーンとすべて無料で公開してしまいます。今年度より前の10年間分はすべて、受かる!政策担当秘書試験受かる!政策担当秘書試験2 に載ってますので、気になる方は是非読んでみてください。

長いので、まず解説からです。

令和5年度問題解説
全体講評
今年も難しかったですね。良く皆さん合格されたと思います。
 しかし、今年の難しさは近年のものと少し違います。今年は、近年あった「資料にない知識を使ってアイディアを出す」という部分は少なくて良さそうでした。その代わり、資料を読み込む作業に時間を取られる問題が多いです。「このグラフが何を言わんとしているのか」を理解するまでに時間が取られ、「全体の中でどう使うか」も悩みます。時間との闘いです。問題自体は難しくありません。
 課題1はゼロカーボン政策の必要性と金融の役割、課題2は社会保障と財源問題、課題3は少子化・若者対策。すべて当たり前と言えば当たり前、予想のド真ん中の問題です。
 求められる解答も当たり前のことばかりです。しかし、「当たり前のことを当たり前に書く」のは意外と難しいんです。どこまで省略できるのかも悩みます。というか、基本的には全然分かってない人に説明するみたいに、「易しく」「すべて」書く必要があります。それが結構出来ないのです。ただこれは「練習」で出来るようになります。難しいことは必要ありません。
課題2だけは、さすがに「出題の趣旨」の中で「本問については採点対象となった答案が少なく」(!)と書いてありましたが(相当少なかったんですね)、これは問題作成のミスとしか言い様がないですね。「解答のためには社会保障制度や財源の性質など系統的な知識が必要であり、やや難しい問題であったかもしれない。」ですって。難しい問題ですよ!いい加減にしてください。税と保険料の違いを意識している人なんてどれくらいいますか?私でも、えーとどうだっけ?と思いながら解きました。知っていれば難しい問題ではないです。
課題3は少子化対策。女性の社会進出が進んだ国ほど出生率が高いというデータがありますが、深く突っ込めば「ホンマかいな?」という突っ込みもできるところです(どういうメカニズムでそうなっているのでしょう)。が、深く突っ込まずにあっさり書きました。単に女性進出をすすめるだけでは、女性が苦しくなるばかりで少子化は解決しないですよね。また、ハンガリーの例というのも、議論を呼ぶ資料です(解説参照)。
いずれにせよ、選択式の合格者が135名中35名ですので、なんとか選択式試験を通過して(選択式試験で基準点に達しないと、論文式試験の答案さえみてもらえません)、その中で書き負けないように頑張ってください。
合格者の方には行政書士の資格を持たれていた方が複数名いらっしゃって、政策の知識というより、全般的な勘所や作業能力が効くのかなという印象も受けました。

課題1
温暖化の問題です。温暖化の問題に金融業界がどのように関与するか、を書きます。お金の面から締め上げる、と一言で言えばそれだけですが、書くのはかなり面倒です。練習してください。②のところでロシアのウクライナ侵攻によるヨーロッパのエネルギー政策の変更というのが挟まれていますが、すべて易しい問題でしょう。資料(と英略語)が多いので、グラフを読み取るのに時間が取られると思います。これじゃ、資料解釈のテストみたいですが、必修の課題1は今後もこんな感じでしょう。

課題2
 全体でも書きましたが、一見簡単っぽいですが知らないと②が書けない問題です。このような知識を問う問題は良くないです。
解答例では、勉強の為に「保険原理」と「扶養原理」という言葉をつかって書いていますが、もちろん知らなくていいです。私もこの問題を解くまで詳しく知りませんでした。
 たまに、一般有権者の方で、「保険料も(累進課税みたいに)金持ちから多く取れ!」ということを言われる方がいますが、保険と課税はちょっと違います。金持ちでも病気になる確率は基本的には同じです。だからおなじ掛け目(確率)で保険料を徴収します。リスクの分散の為です。負の宝くじというか。所得格差の再分配機能は、所得税の累進課税とかに任せるべきで、本来は保険にそういう役割を負わすべきではないです。が、両方が混ざってなんとなくグダグタになっているのが現在の日本の社会保障で、グダグダになっているのが当たり前として生きている私たちに、今更原理を説明しろ!と言われても頭の中に「?(クエスチョンマーク)」が飛ぶだけです。
 「こども保険」なんてアイディアもありましたが、あれがまた世間の誤解に拍車をかけていると思います。子どもを持つことは「リスク」なのでしょうか?本来、結婚する・しない、子どもを持つ・持たないは個人の自由です。ですから本当は全額「自己負担」でまかなうべきです。が、しかし社会構造も雇用慣行もなかなか変わっていかず、子育ては大変なので、少子化がどんどん進行する。そこで、「公費」で負担する、子どもを社会全体で育てるという子育ての「社会化」が進行します(世界的にも)。本来は、雇用保険料に上乗せして子育ての財源に充てるという現在の政策は(批判が沢山あるように)筋違いなわけです。子育て世帯に給付するのに、子育て世帯の雇用保険料を上げてどうするんじゃい!とか、子どもを持っていない現役の勤労世帯から、子どものいる世帯への所得移転になってしまう、と批判されていますよね。元明石市長の泉房穂さんが友人の官僚に聞いた話として、「厚労省が財源を財務省に要求しても首を縦に振らないので、厚労省が管轄できる保険料の負担を増やしている」という話がありましたが、あながち間違っていないのかも。本来なら税でまかなう性質のものを取りやすい保険料で取ろうとしているからおかしくなるのです。お互いが連携しないうちにドンドン両方が上がっていくというのは望ましい姿ではありませんね・・・。
 社会保障と財源については、国立国会図書館のこのレポートもご参考に。
社会保険による財源調達

課題3
 少子化の問題かと思って解いていたのですが、どちらかというと若者政策一般について書かせたかったようです。①については完全に少子化ですが、②のハンガリーの例というのが、何を言わんとしているのかよく分かりませんでした。ハンガリーも一時、合計特殊出生率が回復しましたが直近は落ちていますし、あまりになりふり構わずやった政策が公平という観点からもどうなんだろう?と最近では疑問符を付けられています。「独身罰」だと批判しているものもありました。
特に資料8「ハンガリーの人口と平均年齢の推移」と資料9「ハンガリーからハンガリー国外への移住者数と移住先」の資料の使い道が分かりにくいです。ハンガリーは若年層が海外へ流出して、毎年人口が3~4万人減少し、平均年齢が段々上がり、人口減少が心配されているようです。それを希望のない国・日本から海外への人材流出と絡めて書かせる、というのが意図だったようですが(出題の趣旨で「インドやASEAN諸国地域の経済成長後に生じえる日本からの人口流出に対する方策」を評価しています)、背景が分かるにはちょっと資料不足だと思います。元ネタはこのJETROの記事で間違いないでしょう。表も同じですし。
「好景気の他の欧州諸国で高賃金を得たい」というのが、若者の国外脱出の元々の第一位の理由だったらしいです。これは、最近の日本でよく言われる「海外で稼いだ方が豊かな生活ができるや」と、寿司職人や理髪師さんなんかが海外に行っているという日本の現状にあてはまりそうです。いや、待てよ、アレは円安が直接の原因だから無理があるか。無理矢理感がありますね。賃金が上がらない日本の若者の脱出という点で、ハンガリーとの共通点を考えさせるという意図なのでしょう。しかし、直近はハンガリーでは急激に賃金上昇があったようで、不満の一位は「政治への不満」となっています。そうするとまた話が違ってくるような・・・。
ここあたりの評価を読むと、独自アイディアを評価する傾向はまだ変わっていないようですので、色んなアイディアを書いてみましょう。

ちなみに、ハンガリーの平均年齢は資料によると42.5ぐらいですが、日本は48.6歳(World Population Reviewによる2020年の数字)。
1位   モナコ       55.4歳
2位   日本        48.6歳
3日   ドイツ       47.8歳
4位   サンピエール島・ミクロン島  46.5歳
5位   イタリア      44.5歳
6位   ギリシャ      44.5歳
7位   スロベニア     44.5歳

しかし、直近の報道によると、日本の平均年齢はとうとう50歳になったとのことです。日本は高齢国なんですね・・・。

令和5年度 政策担当秘書資格試験 解説(資料編)

 令和5年度の政策担当秘書資格試験の課題の公表がありました。https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/hisho/pdf/r05shushi.pdf
現在、解答例と解説を鋭意作成中です。そして、気になるのが毎回の著作権関係による資料の抜けですが・・・。
 今年度、課題1から2は抜け資料がなく「良かった良かった」と思っていたのですが、ありました。課題3「少子化対策」。こんなに問題無く使えそうな資料がいっぱいありそうな分野でこんなに資料が抜けているとは・・・。
 と、嘆いてばかりもいられないので、元資料を探してみます。
「資料1 各国の合計特殊出生率の推移」は、内閣府の資料ももちろんあるのですが、(何故か)富山県の資料が見やすくてお勧め 。https://www.pref.toyama.jp/sections/1015/ecm/back/2014dec/tokushu/1_3_04.html
「資料2 年収別に見た日本の40代男性の子どもの数」は間違いなく東京大学の研究のコレでしょう。https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400187301.pdf よく引用されているので、もう少し見やすくしたグラフもありますが、おそらくこのまま出されたのではないでしょうか。
「資料3 各国の女性の就業率と合計特殊出生率の相関」は、就業率ではなく労働力率と言う言葉を使っているのと、年次が古いので違っているかもしれませんが、信頼性とよく使われているのを加味して、コレを推します。https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/syosika/houkoku/pdf/honbun1.pdf
4ページの図です。
「資料6 ハンガリーの主な家族支援策」はこの記事が元ネタではないかと思いますが、どうでしょうか。https://apinitiative.org/2023/09/11/50901/ 表は著者の方が作成されたものがよくまとまっているので、スペースを考えるとコレではないかと思います。
 「資料7 ハンガリーの合計特殊出生率の推移」は毎日新聞の記事がきれいなものを作って載せていますが、有料記事になっているので記事からは見れません。検索すると図だけがでます。https://mainichi.jp/articles/20220127/k00/00m/030/234000c 要は2011年に1.23だったものが2018年に1.55まで回復したというものです(2019年には1.49に落ちている)。

では、もうしばらくしたら令和5年度問題の解答例と解説を公開しますので、お楽しみに!

令和5年度政策担当秘書資格試験 合格者オリエンテーション

昨日(9/27)令和5年度の合格者の方のオリエンテーションがありました。今年の合格者は14名。様々な経歴と思いをお持ちの方が来られてるなという感想でした。

今年も政策担当秘書出身の大西健介衆議院議員と梅谷守衆議院議員が来賓で挨拶されました。政策担当秘書試験の合格者は、他に林芳正前外務大臣、宮下一郎農水大臣もいらっしゃいます。受験者数が最近は横ばいですが、素晴らしい制度だと思いますので、是非多くの方に受験していただきたいです。

今年の試験の概要も出ましたので掲載しておきました。しかし、選択式試験で135人から34人に絞るのは、絞りすぎの気がします・・・。選択式試験対策は「受かる!政策担当秘書試験」の1冊目の方で解説していますので、ご興味のある方は参考にしてみてください。

今年度の試験問題の解説と解答例も、発表されましたら、できるだけ早く解いて掲載したいと思います。

政策担当秘書資格試験 合格者発表

今年は政策担当秘書試験の講座も積極的には募集せず、本だけになっていたので、毎年のように「合格者でました!」と報告できないだろうと思っていたら、過去の講座の受講生の方が合格されていました!おめでとうございます!あきらめずに勉強された粘りにお祝いを申し上げます。
と、いうわけで今年も連続で合格者がでました。
 昨年の「受かる!政策担当秘書資格試験」に続き、今年は過去9年分の解答例をコンプリートした「受かる!政策担当秘書資格試験2」も出しましたので、ご興味のある方は是非。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0C8B5ZYCD

「受かる!政策担当秘書試験2」

お待たせいたしました。好評をいただいた「受かる!政策担当秘書試験」の続編「受かる!政策担当秘書試験2」を発売させていただきます。試験1週間前になってすみません!過去9年分の解説と解答例、抜けている資料が入ってます。前作とこれで試験対策はバッチリ(のはず)。前作と合わせてこれで過去10年分の問題と資料、解説、解答例が揃いました。