NOでは足りない

ナイトムーブスの時に、(初めて)大手マスコミの取材が来て(やった!)、「参議院選に向けて何かやらないんですか?」と聞かれました。広い意味ではナイトムーブスは多くの人々に政治に目を向けてもらう試みであって、それなりの意味があったと思っているのだけど。それに向けて何か考えようとしているウケ狙い体質の自分が悲しい・・・。

 それはそれとして、ナオミ・クラインの『NOでは足りない』は、トランプに代表されるエスタブリッシュ側の人々が、事故や災害やテロや戦争といったショック(恐怖)を利用して、いかに自分たちの利益と立場を強化し、人々から奪っていたかということを書いてある。それに対して著者は「NOと言うだけでは足りない」と。
 彼らは、ここ数十年間の常識とか節度とか、そういうものを高速で破壊していき、あれよあれよという間に基準を書き換えてしまった。今や、ビジネス界の利害関係者が公然と政府に入り、人権や環境や人々に対する攻撃も過激化してきた。

 それに対して、個別の課題を持った人達が、(たこ壺みたいに)個別に反対運動しているだけでは、到底相手にならない。だから、お互い協力し合って一致点を見いだし、党のない綱領、「リープ(跳躍)マニフェスト」を作って発表した。簡単に言うけど、環境破壊の引き金となる石油パイプライン企業の労働組合員と環境保護団体が集まって、一致点を見いだそうとするのだから、気が遠くなるような作業だ。

 跳躍(リープ)としているのは、環境破壊や経済格差が危険な状態になりすぎて、発想や手段が跳躍したものでないと解決できない、という意味だそう。

 実際、内容は多くの支持と(もちろんマスコミも含めて)エスタブリッシュメントの大きな反対を得ることになったが、このリープマニフェストを元にして選挙に出る候補者もでるようになったりして、変化の兆しはある。
 次の仕事はこんなことかな。

ナイト・ムーブス

ナイト・ムーブスの写真です。出演者全員のものが無くてごめんなさい。近々動画をアップします(現在観やすいように編集中)。来ていただいた皆さん、気にしていただいた皆さん、出演者の皆さん、本当にありがとうございました!

今夜、ナイトムーブス開催

ナイト・ムーブスいよいよ今夜です。代々木公園野外ステージ18時スタート、20時終了予定。入場料無料。
出演者:高橋しょうご、村川徳浩(ミルクおやじ)、浜野秀明(もっちょさん)、滝沢泰子、あらい英行、岩崎孝太郎、兼島俊、くわばら宏明、田中将介

ムーブ・ザ・ワールド

「ナイトムーブス」に関しては、「何をやりたいのか分からない」とよく言われます。自分のコミュニケーション能力の低さを思い知らされる毎日です。

 初めて選挙にでる人を支援する団体であるランフォーサムシングジャパンの目的は、民主主義の復権、復活、リバイバル、再構築であったわけで、「棄権しちゃダメだ。自分に近い人に投票しよう。いなければ自分で立候補しよう。やり方がわからなければ手伝います」というものでした。
 統一地方選を経て、さらにこれを進めようとしているのがこのイベントで、しかもSNS全盛の時代にアナクロな「言語」と「実地で会う」という方法を使って。

 元候補者の方達の素晴らしさを知ってもらいたい、また選挙に出ることの素晴らしさ(と厳しさ)を知ってもらいたいという目的と、イギリスのスピーカーズ・コーナーのような、フランスの立ち上がる夜みたいな、路上での言論の復活という二つの目的が混じっていて、そこが余計にわかりにくいものになっている原因です。どうしたらいいんだろう。
とにかく楽しくやります!

 昨日のPVも、「どんな妨害にも避難にもめげないぜ、だった俺たちはワイパーめがね*があるんだから」、という、不屈の言語に対する信頼、民主主義に対する信頼を表現したものです。全然伝わらなかったような気がしますが・・・。「水をかけられた後の表情が嬉しそう」という指摘がありました。個人的にはワイパーが途中で止まってしまうところが好きです。

*防御法とジョークの心のイメージ

ナイトムーブス

 調べてみると、同じフランスでも「立ち上がる夜」と「黄色いベスト」はかなり違う。「立ち上がる夜」は社会党政権が労働法の改正を行おうとしたのに対し、市民が反対して共和国広場に集まったのがきっかけ。しかし途中から、いろいろな課題の人が集まってきて、音楽や踊りをする人も出てきたりして、課題が拡散していく。元々言い出した人達は、不満なんだけど、そこで人が集まったことによって。「自分は孤独ではない」と感じた人達が地域に帰った後、次の運動に繋がっているという指摘がある。
 昨年の、「黄色いベスト運動」は燃料税の引き上げがきっかけで、主に車が生活手段の地方の人が怒って交差点を占拠しだしたのがはじまりらしい。左派も右派もいるのだが、内部ではあんまり関係ない様子。地方の反乱といっていいのか。暴徒化している所が取り上げられるが、騒動屋みたいな連中が紛れ込んでいたりするらしい。
 香港の今回のデモは?情報が少なくて判断しかねるけど、こういうことは日本では起き(て)ない。中途半端に裕福だからか、意見表明するのにあきらめているのか、仕事や学校で疲れているのか、日本的な謙譲の美徳なのか。
 日本ではナイトムーブスみたいな、表面的に半分冗談みたいな形で表現されるのではないかと思ってます。冗談でしか「愛している」と伝えられない不器用な人のように。
 愛してるぜベイビー(後藤輝樹さんみたいだな)

ナイト・ムーブス(夜歩く)

 ナイト・ムーブスのイメージが伝わりにくかったのでもう少し。
 統一地方選に関わって思ったのが、選挙のときだけ政策とか課題とかを話さなくてもいいんじゃないかと(そして誰であっても)いうことです。課題はそこにあって続いているし、選挙の時だけ話して、聞いて、投票してそれで終わりなの?
 政治(=生活のリアル)について、口を開く人はほとんどいないし、そんな場すらない。だから場をつくってみようと思ったわけです。
 ナイト・ムーブスの第一回目、第二回目、もしかしたら第三回目以降も、誰も聞かない、人も集まらない可能性は高いです。が、しかし一人でも、「お、こんな事やってる馬鹿がいるのか」いやもとい、「こんなことやってる奴らがいるのか」と思ってもらって、「そういえば俺もいいたいことあるよな」と思い、誰か身近にいる人にでも話をしてもらえればいいんじゃないかと思うのです。「そうえいば、俺、こんな風に思うんだけど」みたいな。
 本当に危機だと思うんです。例えば東京圏。突出して高齢化率が高くなります。人口が一極集中で流入過多になっている上に独身比率が高い。20年後、30年後に一体どうなるのか。地方は別のパターンの大変動に見舞われる。学生の学費の問題、労働の質の低下の問題、まだまだ日本は豊かで大丈夫という人もいるけど、本当にそうなのかな。
 そこでまずは、選挙に出たことのある人達に声をかけました。恐らく言いたいこと〈変えたいこと〉があるから選挙でたんでしょう。超くだらない青年の主張大会(!)みたいになるかもしれません。おそらく観にくる人なんていなのじゃないかと思います。ダメだったら皆で笑いましょう(それで時間があれば渋谷の街で飲みましょう)。
 たまたまステージの開いていた日が、6月26日。通常国会の最終日です。どんなことになっているか分かりませんが、通常、不信任案とか出して盛り上がっているころです。永田町とは全然違うところで、話を聞いてみませんか(話してみませんか)。もしかしたらこれが、民主主義を取り戻す産声になるかもしれないのです。
 もう少ししたら第一弾の出演者を発表します!

ナイト・ムーブス

 この前の統一地方選に応援などでかかわって、「みんないいこと言ってるよなぁ」と感じて、これ、選挙の時だけで終わっていいのかなという思いが湧いてきました。高橋しょうごさんの言ってた就職氷河期世代の救済とか、本当に深刻な問題だしね。
 そんなときフランスの「立ち上がる夜」(もしくは「夜立ち上がれ」という訳もある)の記事を見ていて、「私達は票はあるけれど声はないWe have vote but not voice)という主張があって、なるほど選挙が終わっても政治が終わるわけではないし、みんな言い残したことがあるんじゃないかなぁ、当選した人も当選しなかった人もと思いました。もっといえば選挙に出なかった人も。
 ちなみにフランスの「立ち上がる夜」とは、フランスで労働法改正を機に共和国広場に人々が集まって、夜12時まで様々なことを話し合ったムーブメントです。

 もう一つ、今回の統一地方選で衝撃を受けたのは、無投票の選挙区が予想外に多くあったこと。定員割れしそうな所さえありました。民主主義の基礎である自治体の議員のなり手がない。民主主義の底が抜けるんじゃないか(あるいは抜けたか)という怖さを感じます。だから色んな人に関心を持ってもらって、投票したい人がいなければ出て欲しいと思います。みんなのために。
 というわけで、話したいことがあるひとは一人2~3分で話せますので、代々木公園野外ステージにいらしてください。質問も2~3なら受け付けて語りましょう(ただし、ヘイトはダメね)。

 名前については、フランスが「夜立ち上がれ」なので、立ち上がるだけでなくて、いろいろな人の所へいって話したりするという「動く」イメージがあった方がいいかなと思い、それで横溝正史の「夜歩く」というのを考えたのですが、英訳してNight Walkじゃマラソン同好会みたいだし(そもそもRFSJ自体、走る会と間違われる)、ムーブメントという意味もあるMoveがいいのではないかと。
  思い出してみたら、ボブ・シーガーの「Night Moves」という名曲もあるし(80年代青春の人にはマリリン・マーティンのヒット曲もある)。ちなみに、ボブ・シーガーの「Night Moves」は、ボブ・シーガーが19歳のとき1つ年上の黒髪の女のコに失恋した時の歌で、「夜のいたずら」みたいなニュアンスがあります。
 さてどうなるやら。吉田東海はオープニングスピーチ(開会宣言)、とフリーダムスピーチ、できれば学生の学費のこと、労働と経済ぐらいは行いたいと思っています。