NOでは足りない

ナイトムーブスの時に、(初めて)大手マスコミの取材が来て(やった!)、「参議院選に向けて何かやらないんですか?」と聞かれました。広い意味ではナイトムーブスは多くの人々に政治に目を向けてもらう試みであって、それなりの意味があったと思っているのだけど。それに向けて何か考えようとしているウケ狙い体質の自分が悲しい・・・。

 それはそれとして、ナオミ・クラインの『NOでは足りない』は、トランプに代表されるエスタブリッシュ側の人々が、事故や災害やテロや戦争といったショック(恐怖)を利用して、いかに自分たちの利益と立場を強化し、人々から奪っていたかということを書いてある。それに対して著者は「NOと言うだけでは足りない」と。
 彼らは、ここ数十年間の常識とか節度とか、そういうものを高速で破壊していき、あれよあれよという間に基準を書き換えてしまった。今や、ビジネス界の利害関係者が公然と政府に入り、人権や環境や人々に対する攻撃も過激化してきた。

 それに対して、個別の課題を持った人達が、(たこ壺みたいに)個別に反対運動しているだけでは、到底相手にならない。だから、お互い協力し合って一致点を見いだし、党のない綱領、「リープ(跳躍)マニフェスト」を作って発表した。簡単に言うけど、環境破壊の引き金となる石油パイプライン企業の労働組合員と環境保護団体が集まって、一致点を見いだそうとするのだから、気が遠くなるような作業だ。

 跳躍(リープ)としているのは、環境破壊や経済格差が危険な状態になりすぎて、発想や手段が跳躍したものでないと解決できない、という意味だそう。

 実際、内容は多くの支持と(もちろんマスコミも含めて)エスタブリッシュメントの大きな反対を得ることになったが、このリープマニフェストを元にして選挙に出る候補者もでるようになったりして、変化の兆しはある。
 次の仕事はこんなことかな。

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